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2025.04.06

「学生時代なんにもなかった僕」が始めた、ちょっと変わった田舎暮らし

春になると毎年、「今の自分の選択、合っていたのかな?」って考えることがあります。

あれは2011年の3月。まわりが就職を決めていく中で、僕は「地域に飛び込んでみよう」って、就職じゃなくて田舎での暮らしを選びました。
お金もない。知り合いもいない。彼女もいない。
そんな僕でしたが、なぜか「なんとかなる」って気持ちだけはありました。
それは、大学時代に出会ったいろんな大人たちが、僕の背中を押してくれたから。

大学時代から岡山県美作市の「上山(うえやま)」という棚田のある地域に通い続けて、気がつけばもう15年が経ちました。
高校までは奈良で育ち、大学から岡山に来ました。
環境問題や農業に興味があって、大学ではそういったことを学んでいたけれど、正直あんまりピンとこなくて…。
「もっとリアルな現場を見てみたい」と思って、大学の外に学びの場を探すようになったんです。
そんな大学院時代に出会ったのが、棚田で活動する大人たち。
彼らの生き方や考え方にふれ、「ここでなら生きていけるかも」って思いました。

大学卒業のタイミングでは就職先も決まっていたんですが、「もう少し考える時間がほしい」と思って大学院に進学。
でも、研究にはあまり身が入らず、研究室の人たちには迷惑ばかりかけてしまいました。
大学院の終わり頃には大手企業から内定をもらったけど、心の中では「本当にこのままでいいのかな?」ってずっと悩んでました。
修士論文もまったく進まず、周りに迷惑ばかりかけて3月の寒いアパートでひとり、何日も考え込んでいました。
「もういっそ発表だけしたら修了させてくれる」とも思ったけど、どうしても気が進まず、結局、論文を出せずに大学院を修了できないまま内定も取り消し。家族からもしっかり怒られます。
それでも僕は「地域でチャレンジしよう」と決めました。

親にも相談せず、何日も引きこもって自分だけで決めた選択でした。
当時、今ほど「地域おこし協力隊」が知られていたわけでもなく、給料も月16万円。
正直、会社勤めしてたらもっと安定した未来があったかもしれません。
でも、自分で決めた道だから後悔はしていません。
その後、なんとか半年遅れで大学院は修了できました(内容はお世辞にも立派とは言えませんが…)。そこからはもう、地域にどっぷり浸かって――
水路掃除、草刈り、米づくり、耕作放棄地の開墾、狩猟、ジビエ活用、古民家のDIY、いろんなことをやってきました。

>そもそもなんでそんなことしてるの?
もともと、環境や農業にちょっと興味があったんです。
大学時代には仲間と一緒にネパールという発展途上国の山奥に行ったこともありました。
そこでは、若者がほとんどいなくて、仕事もなくて、農業しかない…という状況を目の当たりにしました。日本の田舎と似ているな。
でも、地域の中では「自然の中でちゃんと暮らしが回ってる」と感じる場面もたくさんあった。「経済的にも資源的にもムリのない暮らしって、日本の田舎の方ができるんじゃないか?」

そんな仮説を持って、気がつけば今まで生きてきました。
ただ、日本の田舎も飛び込んでみたら…まぁ大変です(笑)。
空き家に耕作放棄地、放置された山林
これらは「地域資源」って呼ばれることもあるけど、実際は「どうにもできない問題」として扱われがちです。
しかも、それらの土地や建物って、国や県・自治体のものではなくてほとんどが個人の持ち物です。
「地域資源を活かして良いことがしたい!」って気持ちだけじゃダメで、その土地を持っている人と信頼関係を築かないと、何も始まらないってわかったんです。

だからまず僕がやったのは、自分の思いを押し出すのではなくて、「この地域に暮らす人たちとちゃんとつながること」でした。
草刈りをする。
借りた古民家をきちんと管理する。
地域の人と話す。
そんな「目に見える行動」を積み重ねて、「この人なら大丈夫」と思ってもらう。
その繰り返しに、10年以上かけてきました。

>これからの目標
いまでは、140人ほどが暮らす上山地区の中でも、「大芦(おおあし)」という場所をフィールドに、大きなチャレンジができるようになってきました。
これからは、「自然と向き合いながら、暮らしをつくり、それを次の世代につなぐ」ことを目指して、もう一度スタートを切ります。

もう少し具体的に書くとこんな思いでやっていきます:
1.自然と共に暮らす楽しさを分かち合いたい
森や棚田、水などの自然の恵みをいただきながら、無理なく持続できる暮らしを目指します。
土に触れ、手を動かし、自然の中での暮らしの喜びを、周りの人たちと一緒に感じていきたいです。

2.昔からある知恵や技術を学び、今の暮らしに活かしたい
棚田にまつわる農、林業、手仕事、食文化…。先人たちが築いてきたものを受け継ぎながら、現代の暮らしに合わせてアレンジしていきたいと思っています。そして、ここでの生き方・働き方を未来につなげていきたい。

もし、この記事を読んで「田舎で何かやってみたいな」と思ってくれた人がいたら、ぜひ声をかけてください。すぐに大きなことができるわけじゃないけど、一緒にちょっとずつやってみることはできます。

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